泣き疲れた・・・けど回復!

はぁぁぁぁぁ。今回はめっちゃ長い日記になります。
日記っつーかほとんど感想文です。
というか自分の家族の話です。

今回の旅(正確には旅ではないが)、本当に色々考えさせられた。
ってまだ終わってないけど。

今回なぜ福岡に来ているのかというと、それは義母のため。

昨日福岡に到着し、ホテル(本当は実家に泊まっても良かったんだが独居で狭いため、旦那が二人で泊まるのは窮屈だとホテルを取ってくれた)に荷物を預けてからすぐに旦那の実家へ。
そして義母に認知症の疑いがあるということで、CMやヘルパーさんらとのサービス担当者会議に出席した。
今まで何度となくサービス担当者会議に出席してきたが、それはあくまでも仕事上、OTとして出ていただけで、家族として出席したのはこれが初。
認知症の疑いがあると思われる母の言動や行動を聞き、そして今後の対応についてを話し合ったんだが、それは私としては落ち着いて話を聞けたし、話をすることもできた。

ただ・・・
私がどうしても冷静でいられなくなったのは義母が飼っていた犬について。
今まで(認知症の疑いがない頃まで)旦那の実家に行った時は、必ず犬を洗ってあげたり遊んであげたりしていたものだが、義母も本当に犬を我が子のようにかわいがっており、手入れも行き届いているのは見てわかっていた。
でも今回行って犬の悲惨な状態を見るなり、どうしても冷静でいられなくなり涙が止まらなかった。
ガリガリに痩せ細り、四本の足は何かの病気になっているのか毛が完全に抜け落ちて真っ赤に腫れ上がっている上に爛れており、出血していて、関節も所々拘縮を起こしていて、全体的に体毛も薄くなっており、爪も何ヶ月も切っていないせいで肉球に刺さっていて、歩くこともままならない状態だった。
そして、目やにも全く拭いていなかったせいで完全に目を覆いつくして張り付いていて、両目に眼帯を当てているような状態、そして、耳だれもひどくありえないほどの悪臭を放っていた。
なんで生きていられるのか不思議なほどの有様だった。
実家に着いてからまずは犬をどうにかせねばと、サービス担当者会議まで時間があったので、タクシーでホームセンターに向かい、ペットグッズを買いに行った。
サービス担当者会議が終わってからは、早速旦那と犬の爪を切り、風呂に入れて体中の毛を切り、張り付いて眼帯のように目を隠してしまっている目やにを少しずつ切り取って耳を掃除した。
4時間以上はかかった。
それくらいすごい状態だったから。
でもそれを心配そうに見ていた義母は「犬がかわいそうだからいじめないで!美容院に連れて行ってるからきれいにしてるのに」と何度も風呂場を覗いては私たちに言いに来た。
「おかあさん、これはいじめてるんじゃなくてちょっと汚れを取ってるだけだから心配しないで」と声をかける度、涙が止まらなかった。
泣いてる私に気づいた母は、「泣きたいのは私のほうよ。こんなに犬をいじめて」と言う。
夫は無言でひたすら犬を洗っていた。
ここまで言えば言うまでもないかもしれないが、母は犬が病気になっていることにもひどい状態であったことにも気づいていない。
健常者が飼い犬にこのような仕打ちをしていればこれは完全に動物虐待としか言いようがないが、義母に悪意はない。
だから義母を責める事もできない。

やっと目が見える状態になり毛も短く刈って爪も切ったせいか、よたよたと歩くようになり、最初に見たときよりは元気になったように見えた。
そして義母にものすごい勢いで甘えていく犬を見て、また涙が止まらなくなった。
犬には放置されていたなんて意識はきっとない。
だからどんなに痛くてどんなにひどい状態であっても、やはり今も義母のことが大好きなのだ。
一瞬、この犬を引き取って治療に専念しようかとも思ったが、その思いも犬の行動を見ているうちに間違いだと思った。
認知症があるとはいえ、今も変わらず我が子のように思っている犬を義母から奪い取ってしまったら、確実に母の状態は悪くなると思ったから。
義母の認知症はまだらであるために、自分が認知症ではないのかという苦悩や恐怖もあり、それによるうつ的な症状もみられる。
そんな不安定な状態の時に心の拠り所を奪うのはあまりにも酷い。

なぜ義母は犬をかわいがりつつも、放置していたのか・・・。
もちろん認知症の影響で怠ってしまった部分もあるんだが、義母と話をしてみると金銭的な問題もあることがわかった。
CMからは金銭管理が厳しくなっているという話を聞いていたこともあり、旦那と母の通帳や明細、請求書などを見せてもらうと、次々と驚くようなことがわかった。
母は年金と旦那の仕送りで生活していたんだが、自分でも全く覚えていないような高額な買い物を次々としており、債務の額も半端ではなかった。
しかも、払えていないようなものもあり、今回至急払わなくてはいけないものに関しては旦那が支払いに回り、今後の支払いについても旦那が大半のものを行っていくよう手続きをとることにした。
そんなこともあって犬を病院に連れて行くこともままならない状況もあった様子だった。
生命保険にも多数加入していたことがわかり、解約できるものはすべて解約しようと思ったんだが、証書を見ていくうち、ほとんど自分のためにかけていないこともわかった。
以前義母が自分が死んだら保険で葬式をあげてほしいとか、大した額じゃないけど死んだら多少は残せるかもしれないからね。なんて話をしていたことを思い出し(その時は「何言ってるんですかー」と聞き流してしまったんだが)、義母に夕飯を食べてもらって、旦那とホテルに戻ってから、きっとおかあさんはこのことを言ってたんだね。とまた泣けてきた。
とりあえず当面のまとまったお金を持っておいてもらうためにも、義母自身の医療保険以外は解約しようと旦那と話し合った。

そして今日。
今日は義母や旦那、CMとともに数ヶ所のデイケアやデイサービスの見学に行ってきた。
以前にも義母になんとか通所を利用するよう説得したことがあったんだが、何かしら理由をつけては結局行かずじまいだった。
しかしここまで来ると、何とか義母に外出の機会を作って、少しでも刺激のある生活を送らせたい。
本音を言えば義母を横浜に連れて行きたいところなんだが、それは母が「生まれ育った福岡から離れて都会になんて住めないよ」と断固として拒否であるし、たしかに母のそんな気持ちもわかるので、今はギリギリADLだけは自立しているし、老健で働いていながらこんなことを言うのも何だが、施設なんかには絶対に入れたくないので、続けられる限り義母には在宅生活を送ってもらいたい。
見学では義母はどの施設を見ても「私も老人だけど、あんな老人ばかりと顔を合わせたら、私までおかしくなってしまいそう」と否定的な発言ばかり聞かれた。
そして一通り見学を終えて自宅に戻っても、あんな所に行かなくても私は一人で生活できるよ。と言い張っていた。
旦那がまたいくつか支払いがあるから行って来ると一人で出かけている間、義母と二人で話をしていると、義母がポソッと「お金とか迷惑かけたり、今日も遠くから来てもらってこんなに迷惑かけてごめんね。私、ちゃんと行くようにするから。ホントにごめんね。」とうつむきながら言ってきた。
義母の前では泣くべきではないとわかってはいるんだが、また泣いてしまった。
そんな私に義母は「泣かせちゃってごめんね」とまた謝ってきた。
でも数時間後に旦那が「ちゃんと通ってくれよ」と話をしていた時には「やっぱり私行かないよ、あんなところ」って言ってたけどね・・・。
夕方前にはCMと旦那と3人で今度は社会福祉協議会に向かい、金銭管理サービスの相談に行った。
こんなサービスがあることを私は知らなかったんだが、生活支援員が定期的に自宅に訪問し、日常生活に必要な預貯金の出し入れ等の手続きを代行してくれるサービスだそうで、独居している義母には必要になってきているサービスだということをCMがすすめてくれたおかげで知ることができた。
ただし、これは義母の承諾なしでは契約できないサービスであるため、明日は役所の支援員とCMと義母を交えて面談を行うことになった。
もちろん支援員が来る前に義母と私たちだけで話をするつもりだが、一筋縄では多分いかないことは予測できる。

さすがに今日は義母も疲れてしまった様子だったので、早めに実家を後にしてホテルに一旦戻り、旦那と二人で食事に出かけ、帰りネットカフェに寄道して今に至っている。

明日は犬を病院に連れて行って、支援員たちとの面談をして横浜に戻る予定。
来週からは母は週2のデイケア、そして週5のヘルパーのサービスを受けることになっている。

今回の義母の件について、今まで書いてきたことはお涙頂戴のつもりでもなんでもない。
OTとしての自分が、実際にこういう家族や利用者とずっと関わっていながらも客観的にしか物事を見ておらず、というか見ることができず、実際に自分の家族にこういうことが起こり、それを目の当たりにすることによってどれだけの衝撃があるのかということを身をもって思い知り、自分のOTとしての今までのあり方が正しかったとは思えなかったことに気づいたのが一番ショックだった。
そして、もっと義母にコンスタントに直接関わるべきであったことを今更ながら本当に悔いている。
当たり前だけど、金銭的なサポートをすればいいというものでもない。
遠くにいるから・・・、元気そうだから・・・なんてことは理由にならない。
義母の体はたしかに元気なほうだが、これから決して一人だけで何もかもをしてくことはできないんだし。
実の母のところにもたまに会いには来てくれるが、自分から出向いたことは結婚してからは一度もない。
よくよく考えなくたら、いや、よくよく考えなくても両家に対し、本当に親不孝者だな・・・、私。
元気だし、関係だって悪くないしと思うと、自分の家族のことはおろそかになってしまっていたんだろう、きっと。

一瞬ズドーンと凹んだりもしたが、今までだって中途半端には思っていたけど、今度は本気で親を大切にしたいと思った。
自分もそうだけど、死ぬときに「自分は不幸だった」「自分は何のために生きていたんだろう」なんて思いたくないし、親にもそんなこと思わせたくないし。
認知症だからと言っても母は何もかもがわからなくなっているほど重度な状態ではないし、ご飯を食べたことを忘れたり等の物忘れや判断力が衰えていたり、服薬や金銭管理や犬の世話ができなくなったりはしているけど、これは私や旦那や周囲のサポートでカバーできない問題でもない。
だからそのことに対して落ち込んでも仕方がない。
義母がこれからどうやってハッピーな一生を送ることができるかを考えて実行していくこと、それがOTとしても娘としても大きな課題になるだけのことだと思っている。

あ、ネットカフェに一時間くらいいようと思ってたのに、気がついたら2時間くらい経ってた(汗
ていうか長すぎ?
最後まで飽きずに読んでくれた人。本当にアリガトです。


    
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