最終日

最終の飛行機で福岡から戻ってきた。
3日間ホント忙しかったから、あまり疲れてる意識はなかったんだけど、帰宅してからどーっときた。


最終日の3日目は早めにホテルをチェックアウトして義母の家に行き、犬を病院に連れて行った。
もうホントこれを早くしてやりたかった。わたし的にはある意味メインイベントだった。
この義母の犬ってのはマルチーズのロンちゃん(♂8歳)
今はひどい状態だけど、本当にこのコだけは口がきけない分、何とかしてやりたい。
病院に連れて行ってからは、まずは獣医に義母の状態を説明してから状態を診てもらった。
変な獣医だったらどうしよう…と正直不安だったんだが、こんな田舎でもこんな獣医がいるのね。とホントに安心できるような先生だった。
獣医はロンちゃんを見るなり、「ホントに久しぶりだなー。このコにはね、僕自身が特別な思い入れがあるんですよ」と話し出した。
ロンちゃんが2歳の時にひどい貧血で、先生が飼っていた犬から輸血したことがあってそれが先生の言う特別な思い入れとなっているらしい。


ロンちゃんの足四本が毛が完全に抜けて、腫脹もひどく、出血しているということは前回の日記でも書いたが、これについてはアカラス(ニキビダニという毛穴に寄生するダニの一種。人間にはうつらないらしい)というものだそうで、完治は難しいと言われた。
ただし、薬物療法を根気よく継続していけば、症状はかなり改善できるとも言われた。
初日に毛を刈ったら体中に発疹ができているのがわかったんだが、これもどうやらこのアカラスが全身にきていて、特に足が重症で、次に目や口周りも症状が目立っている状態だった。
で、耳は予想通り外耳炎を起こしていた。
そして、私が毛を刈っていた時に誤ってちょっとだけ皮膚を切ってしまったんだが、すぐに血が止まったから大丈夫かな…と思っていたんだが、これがちっとも大丈夫な状態ではなかったらしく激しく凹んだ。
傷が化膿していたんですね…。
なので皮膚をきれいに切り取ってもらい、外科用ホチキスで留めてもらった。
ただでさえひどかったのに、私まで何やってるんだ…と病院でも泣いた。
で、ガリガリにやせ細っていたのは、母が餌をあげていなかったというよりも口が痛くて、ドライフードが食べられなかったことに原因があるっぽかった。
病院から戻ってから、とりあえず内服薬を飲ませようと餌に混ぜて、少しお湯を加えてふやかしてからあげてみたら、ものすごい勢いでバクバク食べていた。
この子ホントはお腹空いてたんだよ…とまた泣けてきた。
ダメだ、私。涙腺弱すぎ。犬のことになると。
とにかくこれからは毎日きっちりご飯を与えて、薬もきっちり飲ませなくてはならないんだが、さすがにそれを母一人に任せることはできないので、ヘルパーさんに母と一緒にやるようにお願いはしてきた。
そうそう。獣医が言っていたんだが、義母が住んでいる地域は高齢者率がとても高い所だそうで、「実際この辺はね、長生きしない犬が多いんですよ。お宅のように認知症で面倒見れなくなったとか、かわいがりすぎて余計なもの食べさせすぎて病気にさせてしまうとか…本当に多いんですよ」としみじみ言っていた。
実際、私が病院にいる間、ペットを連れてくる人に若者どころか中年すら見かけなかった。
みんなじいちゃんばあちゃんばっかだったんだよね…。
なんだかこういう現実も本当に切ない。


すっかり午前中でうなだれてしまったんだが、その後は社会福祉協議会の人が金銭管理サービスの説明に来たり、CMとの最終的な話し合いもあり、更に保険屋が来て解約などの手続きをし、そしてその後は社会保険事務所や市役所に行ったりしてきた。
他の人との約束が一通り片づいてからは義母を連れて買い物にも行き、新しい電話をプレゼントした(これも気づいてないっぽかったんだけど、かなり壊れかけ風だったので)。
家に戻ってからは買ってきた大きめのピルケースに母と一緒に薬を分けた。
一人でやる方が早いに決まってるんだが、飲むのも飲み忘れてるのも私ではないんだから、こういうことは義母と一緒に作業するのがベストかなと。
一緒に作業しているときは義母はすごく穏やかで、本人なりに一生懸命聞いて分けていたのでなんだか私が少しホッとした。
そして買ってきた画用紙に犬の薬のやり方と、餌のやり方を簡単に書いてそれを犬の餌置き場のところに貼り、一つずつ義母と確認した。
「ここの言葉はこうやって書いてくれた方がもっとわかりやすいよ」とダメ出しまでしてきたのが妙になんかうれしかった。
実際これを見てやってくれるのはほとんどヘルパーになるとは思うんだが、必ず母と一緒にやってほしいとお願いしたのは一緒に薬を分けた時と同じ思いがあるから。
漠然と犬の面倒を見てほしいと言ってもなかなか理解が難しいし、となると複雑ではない何か役割的なものを明確に作っておきたい。
と思ってしまうのがOTなのか…?なんて思ったりもしたが、周りがサポートしすぎて、義母の自主性が失われていくのも怖いしね。
病気には気づかなくても、義母なりに今もすごくロンちゃんのことはかわいがってるし、まずは犬と薬から始めていこうと思って。
金銭のやりくりは旦那に任せているので、私ができるのはこれくらいだし。


そんなこんなで結局飛行機の時間ギリギリまで義母の家におり、「また近いうちに来ます!」と家を後にした。
義母は玄関まで来て、「寂しくなるから見送りにはいかないからね」と静かに泣いていた。
なんかすごい切なかった…。
今回はバタバタの3日間だったけど、ホントに近いうちに行かなきゃと思った。


義母の一件では、周囲の人々にも恵まれていたと思う。
不安がないわけではないけど、本当にありがたいと思うことがたくさんあった。
CMとは以前から連絡を取り合ってはいたが、今回初めて顔を合わせて「息子さん達が近くにいない分、僕もちょくちょく様子見に行ってまたそちらにも報告します!」と言ってくれたのはすごくうれしかったし、この三日間義母のことで精力的に動いてくれたし、実際まだ帰ってきて一日しか経ってないのにもう連絡をくれたりしているのにはかなり感激した。
ヘルパーさんはかれこれ義母の所に10年近く来ているそうで、犬の問題について話し合っていたときも、ヘルパーの業務では犬の世話をすることは基本的にできないんだけど、もう長いつきあいだから母のような存在だし、ロンちゃんも子犬の時から知ってますから、なんとか時間を作って(時間外で)ロンちゃんの通院も行ってきますよとまで言ってくれた。
もうホントこれには感謝と感激で泣いた。
ここでも菩薩を見た。


これからも色々起こりはするだろうが、今のところは何とかやっていけそうかなと思っている。
先のことに今から色々不安がってても仕方ないしね。
とりあえず今やれることをやってかないと。
ていうかこんなことなら旅行なんかにマイレージ使わずに置いとくんだったわ…。
それだけは後悔(苦笑。


てか、最近になってmixiにも同じ日記を載せるようになったんだが(mixi自体は2年前からやってたんだけど日記は書いてなかった)、あれってコメントすごいのね。
前回の日記は久々に自分の思い的なことを真面目に書いたんだが長めの書き込みが次々と…(汗
こっちの日記とは対照的な状態です、正直(苦笑


    
  ↑ ワンクリックお願いします↑